「千世!」 「え、なに――」 「これ!」 只事ではないような表情で、亜子ちゃんがわたしにスマホを突き出す。 なんだろう、と思ってその画面を見咎めた瞬間、身体の中の血液が一気に下に落ちて、温度が消えたような感じがした。 『王子遥灯くん、彼女いたっぽい😭😭』 ――そこには、その言葉と共に、わたしと王子くんが顔を近づけているツーショットの写真が載っていたから。