世界が終わる日に、俺は君の手を握る。

「裕也、そろそろ行かないと」

小林くんが腰を上げながら言う。

「おう、俺らはそれじゃあ練習にもどるね、みんなまたな!」

裕也も立ち上がって荷物を持つ。

「もう時間かー、がんば〜」

嘉凛ちゃんの声に続いて私も「頑張ってね」と手を振る。

繫ちゃんも裕也や小林くんに続いて立ち上がり、身支度をした。

「、、、繫ちゃんも頑張ってね!」

私は声をかける。
すると繫ちゃんは「うん」と、小さな声で返事をした。

「マネージャーも大変だよねぇあんな暑い中雑用でさぁ、繫もがんばー」

嘉凛ちゃんの言葉に繫ちゃんは頷いてその場を後にした。

取り残された私、嘉凛ちゃん、佳世ちゃん、高光くんの4人。

「この後どうすっかなぁ、部活もなくて暇だしなぁ」

と伸びをする高光くん。

「私は家で譜読みしなきゃだー。これから本格的に合奏増えてくし、新入部員ちゃん達が来る前に全体の動きを把握しておきたいんだよねぇ」

そう腕組しながら大変そうに、でもどこか楽しそうに嘉凛ちゃんは言った。

嘉凛ちゃんは部長として自分の楽器以外のパートも楽譜を読んで動きがわかるようにするのだと、部長に決まる前から意気込んでいた。
音楽に詳しくない私にも、部活全体を把握してまとめていくように大変なことを頑張っているのだと話を聞いてわかった。

「私はこれから特に予定はないのよねぇ」

佳世ちゃんは頬に手をやり、首を傾げる。

「、、、じゃあ俺とゲーセン行かね!?、、あ!ゲームとか興味なければショッピングとか??」

高光くんは慌てた様子で頬を少し赤らめながら佳世ちゃんに言う。

「あら、じゃあ駅前のショッピングモールに行きません?気になっているショップがあって、、、」

「、、!!!!じゃ、じゃあ行こう!!!」

佳世ちゃんが微笑み、了承した。
高光くんはそれを見て「よっしゃぁぁぁ!!」と、小さくガッツポーズをしていた。

この頃佳世ちゃんと高光はいい感じだ。
高光くんの見え見えの好意と、それに微笑み寄り添う佳世ちゃんの姿を見ていると、とてもお似合いなふたりだなと思う。
まだ、付き合っていないみたいだが。

「じゃあ、私は学校に残ってスケッチをしてようかな。」

「ショッピング羨ましいけど、しょうがないねぇ。なっちゃんと私は部活がんばろね〜」

嘉凛ちゃんが私の肩に腕を回してにこやかに言ったので、私は「うん、頑張ろうね!」と微笑み返した。