「つーちゃん、つーちゃん、あのさ、私の家喫茶店してるんだけどさ、」


 次の日の朝、私はすぐにつーちゃんのもとへ向かった。


「え、喫茶店!?すごいじゃんちーちゃん」


「…ありがとう。でさ、昨日からオープンしたんだけど、ミルク王子が来てくれたんだよね…」


「え、ミルク王子が?良かったじゃん」


「うん…」


「…ちーちゃん?どしたの、なんかあった?」


 私の浮かない雰囲気を感じ取ったのか、つーちゃんが心配してくれる。


「…あのね、なんかコーヒー飲んでる時の王子があまり楽しそうじゃなかったんだよね」


 自分でもなんでそう感じたのかはわからない。でもなんとなくそう思ったんだ。


「…そうなんだ」


「…まぁ、そんな気がしただけだけどね」


「王子、甘い物好きって有名なのよね。コーヒーが苦いんじゃない?」


「いや、ミルク多めで頼んでるよ」


「そっかぁ、じゃあなんなんだろう?」


 私たちには正解がわからなかった。