「アサヒー!!」


「うわっ!…て、ハリナ?」


 学校に着いて校門をくぐった瞬間、ツインテールの女の子が先輩に抱きついてきた。


 ハリナ、さん?


「あれ?アサヒ、この子だれ?」


 ハリナさんはやっと私に気づいたという風に言う。


「僕の彼女だよ」


「えー、アサヒに彼女??ハリナはー?」


「ハリナはいとこでしょ」


 ハリナさん、いとこなんだ。


「ねぇねぇ、アサヒ、教室までハリナ送ってよー」


 …なんか私、おじゃま?


「アサヒ!おはよ」


 って、また誰か来た。私たちの後ろから、男の先輩。


「カズ、おはよう。…あ、立花さん、この子がいとこの姫川ハリナで、こっちが友達の上山カズね」


「あ、はい。よろしくお願いします、姫川先輩、上山先輩」


「あー!もしかして、アサヒの彼女?」


「そうだよ」


 私に注がれる上山先輩の視線が痛くて苦笑いする。


 …やっぱりなんかここに居にくいな。


「道宮先輩、私先に行きますね」


「えっ、ちょ、立花さん?」


 そんな道宮先輩の声を無視して、私は教室へと向かった。