「立花、お前俺の素顔を他のやつにバラそうとしただろ」


 放課後、道宮先輩は本当に私の教室に来て、一緒に帰ることとなった。


「…いえ」


 うそ、しました。でもそんなこと先輩の前で言えない。


「嘘つけ。…罰としてこれからデートな」


「え!?…いや、私仕事あるんで、ごめんなさい」


「…あぁ、喫茶店の手伝いか」


「はい」


 私の放課後は毎日手伝いで埋まってる。遊ぶ暇なんか、ない。


「じゃあ、行くわ」


「…え?」


「喫茶店」


 え、来るの?