そしてついに学校の校門をくぐった。


「アサヒおはよ〜!って、だれよその子」


 早速女の先輩が道宮先輩に話しかけた。


「だれって…僕の大切な人だよ?」


 と、繋いでいる私の手を、先輩の手ごと持ち上げて、私の左手にくちづけた。


「え、ちょ…」


 やばいやばい。…道宮先輩、人前だと甘くなるから、気をつけなきゃ。私の心臓が壊れる。


「…ついにアサヒにも彼女が…」


 と、ボソボソと何かを言いながら、女の先輩はどこかへ行ってしまった。


「…初仕事だな」


 でも、私1人の前だとビターに戻る。本当にビターミルク王子だね。


 それから私と先輩は手を繋いで教室へと向かった。


 さっきの女の先輩が結構大きい声で話してたからか、他の人にはなにも聞かれなかった。


「立花さん、また後でね?…放課後、迎えに来るから」


「わかりました」