「…ニセカノって、何をすればいいんですか」


 ニセカノ宣言をされた屋上で道宮先輩に問う。


「俺に女が寄ってこないようにすればいいんだよ」


 …たぶん私がいても寄ってくると思うけどな。


「ま、とりあえず連絡先交換ね」


 先輩がスマホを出すので、私も慌てて出す。


 私の持つ連絡先に道宮先輩のものが増えた。


 …私ってまだ先輩のこと好きなのかな。こんな黒い面を知ったとしても。


「じゃー明日から毎朝一緒に登校ね?…喫茶Lemonに迎えに行くから」


「え、一緒に登校するんですか!?」


「当たり前じゃん、仮にも俺の彼女だよ?」


 先輩にそんなことを言われて、心臓の鼓動がはやくなるから、私はまだ先輩のことが好きなんだろう。…たとえミルクではなくても。


「…っわかりました」


「じゃあ明日からね。…またね?立花さん」


 と言って、先輩は屋上を後にした。


 私、明日からいろんな意味で生きていられるかな…?