委員会の仕事が終わって教室に戻った。


 私と大倉くんは隣同士の席に座る。


「あ、そうだ。青峰、お前土曜日なんか予定あるか?」


「土曜日?…たぶんなにもないと思うけど」


「じゃあさ、テスト勉強うちでやらね?」


 テスト勉強?…そっか、入学すぐのテストが明日あるっけ。


「別にいいけど…」


 私がそう返事をすると、大倉くんは満面の笑みで喜んだ。


 でも勉強なら、私より適任がいるんじゃ…。


「井下くん、土曜日なんか用事ある?」


 私はくるりと後ろを向いて言った。


 井下くんはそれを見て、少し驚いていた。


「いや、特に何もないけど…。どうしたの、青峰さん」


 井下くんファンの女子たちの目が痛いけど、テストでいい点を取るため…!


「土曜日、大倉くんの家で一緒にテスト勉強しない?」


「テスト勉強?…僕でいいなら、いいよ」


「本当?ありがとう」


 井下くんの許可を取ってから、また大倉くんに向き合った。


「…と、いうことで。よろしくね!」


「…お前っ!…なんで井下誘ったんだよ」


「え?なんて?」


 お前、の後が声が小さくて聞き取れなかった。


「…なんでもねぇよ」


 大倉くんはそっぽを向いてしまった。


「…そう…?」


 大倉くん、どうしたんだろう。


 なんか、胸の奥がチクッとした。