そう思ってから少し経つと、終わったことを知らせるために、大倉くんがここを離れた。


 よし、今だっ!


 私は素早くその本を本棚の最高段に直した。


 私でも背伸びをしないと届かないくらいだった。


 うん、我ながらいいアイデアだったな。


 気持ちの良い満足感に浸る。


 だから、私は気づかなかったんだ。


 本棚の影から見つめている人影に。


「アイツ…!」