ガララララッ、とドアを開けると、同じクラスの人たちの視線がこちらに向けられる。


 あ、あそこか。


 窓側の1番前。出席番号1番の定位置。


 できるだけ音が鳴らないように椅子をひいて座る。


 一息ついて、ふと隣を見ると、そこには誰もいなかった。


 あれ?休みなのかな。…隣の人なら仲良くなれると思ったのに。


 担任となった先生が入ってきて、隣の席が空いたまま前で話す。


 …本当に休みなんだ。


 そして入学式の時間になった。



 校長先生や学年主任の先生などの話を聞き、入学式も中盤となった。


「新入生代表の言葉」


 新入生代表ってことは、入試がトップってことかな?…どんな人なんだろう。


 1人の男子生徒が壇上に上がり、透き通った声で話す。


 その光景を、主に女子が、息をするのも忘れて見入っていた。


 それは、声のみが爽やかなのではなく、彼の容姿が良かったのもある。


「新入生代表、1年2組井下ショウ」


 彼ー井下くんが礼をして、壇上から降りると、ほぼ全ての女子たちが息を呑むのがわかった。


 拍手の合間にも、女子たちは小さな声で話していた。