キミよりも高いセカイ

「井下くん、今日はありがとう」


 井下くんのおかげで、明日のテストいい感じにできそう。


「あ、そうだ、井下くん、帰りに大倉くんの家に行かない?」


 井下くんからの返事はない。


「あの、井下くん、」


「…青峰さん」


 井下くんの方を振り返ると、井下くんはいつもの笑顔ではなく、少し悲しそうな顔をしていた。


 声だって、余裕がない。


「青峰さんは、大倉のこと、好きなの…?」


「…え、どうしたの急に」


「…好きなの?」


 私をみつめる。


「…そんなこと、考えたことないよ」


 なんで急に。


「…好きだよ」


「え?」


 井下くんの口から発せられた言葉が信じられなくて、目を見開く。


「僕、青峰さんのことが好き」


 頭が真っ白になる。でも心臓だけは、激しく踊り続けてる。


 井下くんが、私を、好き…?


「…返事は焦らなくていいよ。…でも、これからは隠さないから」


 そう言うと、井下くんは曲がり角の向こうへ消えた。


 あれ、一緒に帰るんじゃ…?でも今一緒に帰っても気まずくなるだけだし。というか、


…私、告白された?