キミよりも高いセカイ

「なぁ青峰、これなんでこうなるんだ?」


「いや、私じゃなくて井下くんに聞いてよ。私より頭いいんだから」


 大倉くんはなにかわからない問題があると、私に聞いてくる。…どんだけ井上くんのことが嫌いなのよ。


「…じゃ、自分でやる」


 と言って、元いた場所に戻って行った。


 向かい側に座る井下くんを見ると、黙々と問題を解いていた。


 …聞いても、怒られないよね?…そのために来たんだし。


「…井下くん、この問題なんだけど、どうしてこうなるの?」


 私がそう言うと、井下くんは問題集から顔を上げ、私が見せた問題を読み始めた。


「あぁこれはね、合同な三角形の対応する辺が等しくなるのを使うんだ」


 すると井下くんはカバンからプリントを1枚取り出して、それに図形を書き始めた。


「…ここがこうなって、こことここが等しい。だから…」


 さすが井下くん。めっちゃわかりやすい!


 夢中になって井下くんの話を聞いていると、