俺は神楽凛生。中学3年生。


高校受験が一通り終わって自由登校のこの時期に、俺は夕方に先生に合格の報告をしに来た。


「先生、無事螢雪学園に合格できました。」


「おお! そうか、おめでとう!
 あんなに無謀な挑戦だったのに、よく合格したなぁ」


俺が受験したのは地元の難関私立高校の「螢雪(けいせつ)学園高等部」。
俺はそこそこ勉強ができる方ではあったが、去年の今頃は螢雪学園には及ばなかった。


それでも必死に頑張って念願の合格。本当に良かった。


先生への挨拶を済ませた後、俺は一度教室へと戻った。
教室に何冊か教科書を置き忘れたからだ。


が〜……がらっ


中々スムーズに開かないドアに内心ムカついていた日々が懐かしい。


俺は教室に入って自分の席へと向かう。


お、あった。じゃあ、あとは帰るのm―


「あ」