背中越しの王子様

「はぁっ、はあっ、はあっ…」


 人混みを抜け、少し落ち着いた所に来た。


 慣れない下駄を履きながらの走りだったから、鼻緒があたってた指の間が赤くなってる。


 もう痛くて走れないから、近くの花壇に座った。


「あの人…先輩の何なんだろう」


 先輩と女の人の関係を考えれば考えるほど、悪い方向の想像が膨らむ。


 そんな自分が嫌になって来たその時、