背中越しの王子様

「うわぁ〜!先輩うますぎです…」


 もうやる前からどっちが勝つかはわかっていた。


 5発の弾で、先輩は3つ、私は0という結果になった。


「マシロ、射的得意なんじゃなかったのか?」


「すみませんウソです〜!」


 肩を落とす私に先輩が言う。


「それじゃ、何してもらおうかな?」


 あ、そういえば罰ゲームがあるんだっけ…。


 先輩が楽しそうに考えていると、


「タクヤ!ここにいたの?」


 あ…あの、文化祭の時の女の人だ。


「…ココナ」


「夏祭り来てるんなら言ってくれてもいいのに〜」


「…言うわけないだろ」


 嫌だ。先輩に近づかないで。


 そう言えたらいいけど、私には言えない。


「…先輩。…私ちょっとトイレ行って来ますね!」


「え、おいマシロ!」


 私はその場から逃げ出していた。