次の日、私はヒマリに言われた通りに学校に行くことにした。


 いつも私が使う駅に着くと、先輩が1人でホームに立っていた。


 すると次の瞬間、ふと先輩がこっちに目線を送り、目が合ってしまった。


「マシロちゃん…!」


 少し前まで大好きだった声。でも今は聞きたくない。


 私は駅を飛び出した。


「待って…!」


 後ろからガシッと腕を掴まれ、立ち止まる。


「はぁ、はぁ、…なんで、逃げるの…?」


 私はゆっくりと振り返る。でも、目線は下に下がったまま。


「…ごめんなさい…!」


 私は先輩の手を思いきり振り払って走った。