「確かに、あるけど……大丈夫、なの?」

「その辺は大丈夫。しばらくの間、穴は開いたままにするし、アレス騎士団の人間か僕らしか通れないようにしてあるから」

葉月の言いたいことを理解した颯は、そう言って微笑む。

「なるほど。あの妖のことは、アレス騎士団で調べておくよ……何かあったら、式神なりなんなり飛ばすから……今日は、颯の言う通りに帰った方が良さそうだね」

「そうするよ。また、今度ね」

ギルベルトの言葉に、風音は頷くと颯の後をついて部屋を出ていった。