志奈が色々と考えていると風音の瞳から涙が零れ落ち、志奈は「風音さん?」と声をかけた。

「僕、どうして……どうして、葉月たちのことを忘れていたんだろう……そうだよ、僕……今までアレス騎士団の皆と、館で悪霊と戦ってたんじゃないか……」

「…………風音さん。葉月さんに、皆さんに会いに行きましょう」

独り言を呟く風音に、志奈は優しく微笑むと手を差し出す。

「……うん。でも、待って……このままじゃ、かっこ悪いから」

そう言って風音は腕で乱暴に涙を拭い、微笑むと志奈の手を握った。

次の瞬間、風音の視界が光に包まれた。