「……あ、課題の提出って明日までだっけ……忘れてたな」

そんなことを呟きながら真冬が歩いていると、真冬の目の前にフクロウが現れて、真冬は内心驚きながらフクロウを見つめた。

(ん?何か、くわえてる……?)

真冬はフクロウの口にくわえられた紙を見つめ、首を傾げる。フクロウは真冬に近づき、紙を取れ、と言いたげに真冬を見つめ続けた。

「……」

真冬は紙を取ると、紙を広げる。そこには真冬にとって見慣れた字が並んでおり、誰が書いたのかは記されてないものの、誰が書いたものなのか真冬には分かってしまった。

(……風音からだ。至急、颯の屋敷まで来て欲しい……?どうしたんだろ……風音なら、電話してくるはずなのに……いや、電話がかけれない?とすると、異世界にいるのか?)

少しの間考え込んでいた真冬は紙から顔を上げると目の前にいたフクロウは消えており、ため息をついた。

そして、真冬は颯の屋敷に向かって走り出した。



「……あ、真冬!」

真冬と颯の屋敷で待機していたヴィンセントが急いで、ギルベルトの屋敷にある部屋に転がり込むように入ると、風音と葉月を含めた全員が集まっており、真冬の姿に気付いた風音は真冬に向かって手を振る。