部活を始めて約3ヶ月経ち、ついに夏休みに入った。


 大会が近いのもあって、さらに練習に力が入っている。


 ゴオもついていくのに必死だ。


「ワカナちゃん、私たちもマネージャー頑張るよ!」


「はい!」


 私たちはさっそくマネージャーの仕事にとりかかった。


「マネージャー、水!」


「マネージャー、タオルちょうだい」


 うちの部はマネージャーが私とヒナ先輩の2人だけ。


 今ヒナ先輩はタイム係をしているから、他の雑用は全て私。


 少し目が霞むような気がしたが、休む暇なんて、ない。


 仕事の合間にチラリとゴオを見ると、たくさんの汗を流しながら練習をしていた。


 ゴオが頑張ってるんだもん。私も頑張らなきゃ。


「マネージャー、ちょっと来て!」


 キャプテンの声がする。


「はい!」


 私は瞬きをして、キャプテンのもとへ走った。


 あれ…?


 景色が揺れる。足がふらつく。


 そして、



 目の前が白くなった。



「ワカナ!」


 ゴオの声が聞こえたのを合図に、全身に鈍い痛みが走った。