その日の部活後、みんなが続々と部室から出て行く中、ゴオはなぜか同じものをカバンから出し入れしていた。


「ゴオ?もうみんなかえったよ?」


 ゴオがゆっくりと振り向く。


「なぁワカナ。俺、明日ちゃんとできるかな」


 キャプテンとエースという責任を、必死になって耐えている。だけどその圧で今にも潰れそうだった。


「…できるよ。ゴオなら絶対できる!私の幼なじみはめっちゃ強いもん!」


 グイッ。ギュッ。


 次の瞬間、私はゴオの腕の中にいた。


「っ!?…ゴ、ゴオ!?」


「…うるさい。少し充電させろ」


 キュンッ…。


 あぁ…あのモヤモヤの正体がわかった。


 私はゴオの背中に、手をまわした。