「莉子ちゃーん！」


　次の日、私は登校してきた莉子ちゃんにすぐに大きな声で声をかけた。


「わっ。おはよう、どうしたの？」


　私が大きな声を出すことはあまりないので、莉子ちゃんは驚いているようだった。


「莉子ちゃん…私ね、昨日如月くんと放課後に勉強会をしたの」


「そうなの？よかったじゃん！隣になれたからだね」


「うん…それでね、莉子ちゃんにお願いがあるの」


　私は莉子ちゃんにぐっと顔を近づけた。


「私と如月くんの勉強会に、莉子ちゃんも参加してほしい…！」


　もう私、2人きりとか耐えられない…！


　心臓がうるさくて、如月くんにまで聞こえてしまいそう。


　だからせめて莉子ちゃんがいれば…。


「私はいかないよ？」


「えっ…なんで？」


　まさか断られるとは思ってなかった。


「だって如月くんはつむぎを誘ったんでしょ？それなのに私がいるのはおかしいよ。…あと、如月くんと仲良くなれるチャンスだよ！」


　私も如月くんとちゃんと目を見て話したい。


　昨日の時点では1回も如月くんの目を見て話すことができなかった。


　そう考えると、確かにこれはチャンスかも。


「つむぎがどうしてもって言うならついてくけど、できるだけ私は行かないほうがいいと思う」


「うん…そうだね。ありがとう」


　やっぱり莉子ちゃんはすごいな。


　本当にお姉さんみたい。


「私、今日は昨日よりも話せるように頑張るね！」


「うん、頑張れ！」