3年生になってから今まで、何回も席替えは行われてきた。


 でもその全て如月くんの近くにはなれなかったんだ。


 もう2月だし、これが最後の席替え。


 最後だからって、たぶん近くにはならない。


「じゃあこれを順に引いて」


 先生が用意したくじを1人1人が順番に引く。


 …如月くんとは近くにならない。そう言ったけど、少しぐらい望み持っても、いいよね?


 私は祈りながらくじを引いた。


 私が引いたくじには、「6」と書かれていた。


 えーっと、6番は…。あっ、窓側の1番後ろだ。


 私にしては結構な当たり席を引いた。


 そして肝心の隣は誰なんだろう?


「莉子ちゃんはどこになった?」


 私は隣の莉子ちゃんに声をかけた。


「私はね、36番」


「あー、結構離れたね…」


 36番って1番廊下側の席だよね。


 あっ…莉子ちゃんと離れちゃった…どうしよう…。


 …そうだ、私の隣は誰?私の左は壁だから、隣は1人。


 この人に最後の席替えの価値がかかってる…!


 しかし、隣がわからないまま席の移動となった。


「それじゃあ移動開始」


 みんなが一斉に動き出し、椅子と机のガタガタと言う音が教室中に響き渡る。

 
 私の隣、誰だろう…?仲良くできる人ならいいな。


 少し不安になりながら席に座っていると、後ろから声がした。


「おっ、俺ここか」


 …ちょっと待って。この声はもしかして…?


「あ、七瀬さん、これからよろしくね」


 え…、えぇ!?


 私の隣は、なんとあの如月くんになったのでした。