「つむぎ、ハムスター抱っこしてみてよ」


 と、如月くんがハムスターを私に渡す。


「はい!」


 チュッ、と、如月くんが私のほっぺにキスを落とした。


「あ、今…!」


「『はい』も、敬語だよ?」


 そうだった…!気をつけなきゃ。


 そう思いながら、私は膝の上にハムスターを乗せる。


「可愛い…!」


 丸くて、ちっちゃくて、本当に可愛い。


「ハムスターって、つむぎみたい」


「えっ、そうですか?…じゃなくて、そうかな?」


「うん。ちっちゃくて、可愛い」


 如月くんのその言葉に、私はすぐに顔を真っ赤にした。


「き、如月くん…!」


「ははっ」


 それから私たちは、たくさんの動物たちを見て回った。


 時間が経つほどに、如月くんに敬語を使わなくなってきて、キスされる回数も減ってきた。


 とても楽しいデートだった。