「…というか、泣いてた理由もしかしてそれ?」


 かぁぁぁあっ。


 一気に顔が赤くなる。恥ずかしさでおかしくなりそう。


「つむぎ、もう1回言うね。…俺は、つむぎが好きです。俺と、付き合ってください」


 早乙女さんのことが嘘だと知った今、私には断る理由がない。


 私はすぐにカバンからチョコを取り出し、如月くんに差し出しながら、


「あなたのことが、ずっとずっと好きでした。よろしくお願いします…!」


 と、答えた。


「よっしゃ!」


 如月くんはそう言うと、私のことをその大きな腕で包み込んだ。


 想いが通じるって、こんなにも暖かいものなんだ。


 その暖かさを噛み締めながら、私は如月くんの背中に手を回した。