早乙女さんが、如月くんの好きな人…。


 ということは、もう私のチョコはもらってくれないってこと。


 私のたった1パーセントの淡い望みが、一瞬で砕け散った。


 私、もう帰ろうかな…。ここで待つ意味、もう無くなったし。


 荷物をまとめて席を立った時、教室のドアがガラガラッと開いた。


「あれ、七瀬さん?」


 …タイミング悪い。


 さっきまで帰ってくるのを心待ちにしていた相手なのに、もう全然嬉しくない。


 というか、会いたくなかった。