「り、莉子ちゃ〜ん…」


 莉子ちゃんも如月くんの声が聞こえたらしく、私が落ち込んでる理由もわかったらしい。


「…ま、まぁまだわかんないじゃん!もしかしたら好きな人がつむぎかもしれないし?」


「…そんなことないよ。私、どうしよう…」


 頑張って渡そうって、決めたのに。


 こんなに簡単に終わるなんて。


「今回は私はなにも言えない。でもつむぎが後悔しないようにしなよ?…高校生活最後のバレンタインなんだからさ」


 そうだ、今日は高校最後のバレンタイン。


 そしてあと1か月で卒業。私の3年間の初恋も、もうすぐ終わりを告げる。


 だったら、99パーセント断られるってわかっていても、1パーセントの望みにかけて、渡した方がいい。


「…私、如月くんに渡す」


 そう言うと、莉子ちゃんは目を見開いて驚いた。


「つむぎ…強くなったね」


 そう言う莉子ちゃんは、嬉しくも悲しそうな顔をしていた。