「どんなのにする?」


 放課後、私たちは莉子ちゃんの家で、チョコのレシピを広げながら作戦会議をしている。


「うーん、手作りのチョコがいいよね…。あ、でもなんかあんまり甘いの好きじゃなさそうだったから、少しビターにしようかな…!」


 形はどうしよう。色は?…悩むなぁ。


 そんなことを考えていると、ふと莉子ちゃんがふふっ、と笑った。


「どうしたの?」


「…つむぎ、楽しそう。本当に如月くんのこと好きなんだね」


 莉子ちゃんの言葉に、私の顔が一気に熱くなる。


「い、いやっ、そ、そんな…!」


「…よしっ、じゃあ恋を叶えるために、頑張って作るぞ!」


 と、莉子ちゃんが右手をあげて言ったので、私もそれにならって右手をあげて「おー!」と言った。


 想い…届くといいな。