『ねぇキミ、大丈夫?』


 あれはこの高校に入学した最初の日、つまり入学式の時のことだった。


 私は途中で一緒に来た莉子ちゃんとはぐれてしまって、1人だったんだ。


 しかも入学してすぐだから、どう行けばどこに着くとかも全くわからなくて。


 早く自分の教室に行かないといけないのに、行くことができずに泣きそうになってたんだ。


 でもそんな時、1人の男の子が私に声をかけてくれた。


 その男の子こそが、如月くんだった。


 私は男の子が苦手で、ほとんど話したことがなかったけど、この男の子は違った。


 この時はその男の子の名前なんて知らなかったけど、彼の人気から名前を後から知るのにそう時間はかからなかった。


 そして私は、彼に初めての恋をしたんだ。