「伊織くん勉強してるの〜？」


「そうだよ。だから邪魔するなよ」


　テストに向けて勉強しようとしていたのに、早乙女さんが来て、それどころではなくなってしまった。


「でもさぁ〜たまには息抜きとか必要じゃない？…ねぇ伊織くん、私とデート行こうよ〜」


　え、デ、デート？まさか如月くんと早乙女さん、付き合ってるの…？


　それなら私は邪魔しちゃいけないよね…。


　というか、彼女持ちが他の女の子と気安く2人っきりになんてなったらいけないよ。


「…わっ、私、帰りますね！」


「えっ、七瀬さんっ！？」


　これ以上2人のやりとりを見ていられなくて、私は図書室を飛び出した。


　図書室を出る直前、如月くんが私の名前を呼んだけど、私はそれを無視してしまった。