身支度を急いですませて玄関を出る間際、にこにこ笑顔の父と母が 手をヒラヒラしてくれてた。 お父さんと、お母さんは、わたしが高校を卒業したと同時に「今まですまな かった」と謝ってきて正直驚いたのを覚えている。 家族のわだかまりが消えて、真っ先に報告したかったのはーー、やっぱり彼 だったけど、なんとかその気持ちを制御したわたし。 彼はもう幸せになってるから、余計なことをするのはいけない。 でも、今ならまだ間に合うのではないか。 わたしは、道端で足を止めスマホを取り出してしまった。