それでもこの冷えた手が~世界はゴミ屑、キミは星屑~


すると、階段の下からお母さんの元気な声が聞こえる。



「出萌ー! 早くしないと、遅れるわよー!?」



わたしは慌ててスマホの電源をオフにして、「はーい!」と返事をした。



今日はわたしにとって特別な日。



実は、書き溜めていた小説を、わたしは思い切ってネットに投稿した
ところ、なんと特別賞をもらうことができた。



念願の作家としてデビューして、気持ちは今、舞い上がっている。



東京に近い地方に住んでいたわたしは、今日電車でそこの授賞式の会場に
行く予定なのだ。