後頭部をかいて、ぽつりと呟くようにそう言った那緒。 「うん、わたし応援しているよ。彩乃さんのことよろしくね」 この時の自分はーー、ちゃんと笑えていただろうか、涙をこぼさない ようにできたであろうか、とばかり考えていたのであった。 それから、わたしたちは他愛のないお喋りをする。 公園に設置された時計の針が、わたしと那緒の残りの時間を示していたけど、 なるべく気にしないようにした。 やがて空は、オレンジ色に染まってもうすぐ夜になりかけた頃。