「だから、この世にも星みたいに綺麗な物があるんだってこと、 気づかせてくれたのは那緒なんだよ。初めて、信じてみようと思うきっかけに なったのは、那緒のおかげ。だから、ありがとう」 言い終わると、するっと自ら彼の手を離した。 もう、二度と触れられないんだと思うと、ちょっぴり寂しいけど、 那緒に伝えたいことはすべて話せたから後悔は無い。 「出萌……、その、俺も頑張ってみようと思う。彩乃を幸せにできる ような立派な男になれるように」