そしてわたしは、やっと空から視線を外して真っすぐ那緒を見た。 そして、精一杯の笑顔で口を開く。 「ねぇ那緒、わたしも那緒のこと好きだよ。だからーー、離れても 別れても、ずっと好きなままでもいい?」 那緒は目を大きく見開いたあと、再びぎゅっとわたしを抱きしめてくれる。 「出萌、ほんとにごめん。俺、誤魔化したりして出萌を傷つけた。けど、 今度は嘘つかない。俺も出萌のこと、忘れない、絶対に」