あれからどれくらいの時間が経ったのだろうか。



わたしが「もう平気」と伝えると、彼は横で「そう?」と心配そうに
聞き返す。



ふと、ベビーブルーの空を仰いで、わたしはぽつりと言う。



「彩乃さんから直接聞いたよ。知ったときは凄く驚いた」



「あー………」



那緒は、気まずそうにうなだれた声をだしてから、わたしに顔を向けた。



わたしの視線は、まだ遠い空の向こうを見ている。



「………俺、お前のことは好きだよ」