体から血の気がサッと引いていくのが感じたけど、わたしは拳をぎゅっと
握って、口を開いた。



「命令を破ったのはごめんなさい。でも、わたしは那緒が好きだから、避けよう
と思っても出来なかったんです」



すると、彩乃さんはちょっと目を見開いたけれど、お腹をかかえてあははっと
笑い出す。



「なーにーそれ? たったそれだけの理由で那緒と、恋人気取りしてたんだ。
マジうける―!」



散々あざ笑ったあと、彩乃さんはわたしに近づいて、今度はわたしの耳元で囁く。