それでもこの冷えた手が~世界はゴミ屑、キミは星屑~


もうすぐ日付が変わる時刻の、深夜の11時53分と表示されたスマホを、
握りながら、わたしは小走りで外を走り抜ける。



時々立ち止まって呼吸を整えながら、また走ることの繰り返し。



どうして、こうなったのかと言うとーー、今から10分程前に遡る。



着信音で目が覚めて、ぼんやりとスマホに送られたメールを確認すると、
わたしに送ってきた当の本人の名前は【那緒】。



その瞬間、見る見るうちに脳が覚醒してきて、急いで指でタップした。