鐘の音がなると同時に、数学担当の先生が入ってくる。 今日は生徒は三人だけかと思いつつ、わたしは、教科書とレポートを机に 広げて授業に臨んだ。 学校から帰って来て、わたしは自分の部屋の灯りをつけた。 通信制高校に入学するのを大反対した父と母は、今日も「おかえり」の一言も なく、まるで空気のようにわたしを扱っている。 わたしは制服のままベットに横たわり、スマホの電源をオンにする。 画面を指でスライドするも、介護以外の仕事でピンとくるものはない。