「それって褒めてるのか、けなしているのか分かんないよ」 わたしはこれ以上場を暗くしないように、空笑いしたーー、そしてぎゅっと 那緒の冷たい片手を握る。 ゴミ屑にしか見えない世界で、あなたの冷えた手だけを繋ぐとそれだけで 安心できた。 まるで、小さく光って見えるたくさんの星が、優しく包み込んで くれるかのように。 那緒にこれ以上不安にさせないように、わたしは彼の体を抱きしめたのであった。