わたしはその言葉に首を横に振る。 「那緒に彼女がいることは、わたし知らないよ。ただ、今日学校で那緒と 喋ったとき笑顔が自然じゃなかったから、そうかなって」 那緒は目を見開いてから、気まずそうに下を向いた。 「………俺、誤魔化した、ごめん」 しばらく沈黙が続いて、那緒がそれを破る。 「今付き合ってる子さ、性格がきつくて別れたいんだけど、それ言ったら めっちゃ怒って拒否されたんだ」 「うん、それで? わたしにどうして欲しいの?」