それが、余計に不安を煽らせてきて、“普通に喋れるか”とか、 “いつもの自分でいられるか”とか、どうでもよくなって。 早く早く、那緒来てよ。 気がつけばその一心だった。 そして、スマホの時刻が7時丁度になると同時に、彼はようやく現れる。 「ーー、那緒っ………!」 「出萌っ! 悪いな、こんな時間に呼び出して」 たたたっとこちらに駆けよる、私服姿の那緒にドキリとした。 「今、バイト終わったとこなんだ」