次の日。 文字がびっしりと書かれたノートを、なんとなく頭上に持ち上げて、 眺めるわたし。 もちろんこれは、自作の小説でこれ以外にも、家には沢山書き溜めて いるものがあるのだ。 わたしは昔から文章を書くのが好きで、“小説家”になりたいという密かな 夢がある。 けれど、それは誰にも言えず、心の奥に閉じ込めているままだ。 「よー! 一人でなにしてんだよ?」 突如、目の前に現れたのはーー、紛れもなく那緒。