わたしは、那緒と仲良くなり、自分からに話しかけるようにまでなって いると気づいたのは卒業式まで、二週間をきった頃。 今日は、11時から最後の進路指導の日だということもあり、普段来ない生徒 らも沢山いて、賑やかだった。 けれど、周りを見渡すと、やっぱりヤンキーばっかりで、嫌な気分になる。 那緒はどこかな……? と人ごみで狭くなった廊下を歩いていると。 「よぉ、出萌。おはよ」 肩にポンッと手を置かれて、とっさに顔を上げると那緒が立っていた。