「いや、友達よりも、俺は暴走族仲間の方がたくさんいるけどな」 「へ? ぼ、暴走族?」 一瞬わたしは戸惑ったが、バイクの大きな排気音が、外から授業中に聞こえる ことがちょくちょくあったのを思い出す。 「そ、俺のこと、怖くなった?」 「ううん、全然!! へー、暴走族なんだ、那緒」 わたしは以外にも、那緒が暴走族だという事実に、あまり驚かないでいられる。 むしろ、やんちゃな那緒がバイクに乗っている所を、一度見て見たいなぁ、 なんて思ったりもした。