まるで、小さな子供をあやすかのように。
どのくらい時間が経ったかわからないけれど、わたしが泣き止むころには、
ただえさえ薄暗い路地裏が、ますます暗くなっていた。
「ーーおさまったか?」
「う、うん。ありがとう、えーっと……」
わたしが彼の呼び方に悩んでいると、金髪の髪をかき上げながらニッと
笑って「那緒でいいよ」と答えてくれる。
警戒心はまだあった、けど、この時のわたしは我慢の限界だったんだと
思う。
わたしは今までたまっていたものを吐き出すように、泣いていた
原因をぽつりぽつりと、話し始めた。