「あははっ、そんなに嬉しい?」 「当たり前だよっ……! だって、本当に来るなんて思ってなかったもん」 わたしは濡れた頬を手で拭った。 「那緒、わたしのメッセージ見てくれたんだね。急にあんなの送り つけてごめんね………?」 わたしは、東京に向かう特急列車に乗る前に、小説家としてデビューして、 今日はその授賞式が××会場でやるから来て欲しいとメールをしたのだ。