6月8日

志摩野英里様
ちなみに俺は、アウトドアなほうかも。バイクでそこらへんを走って景色を見るのが好きだな。仕事が仕事だけに、解放感が気持ちいいから。

在学中の志摩野は、わりと誰にでも線を引いてる感じはしたな。
それが悪いことだとは思わないよ。そういうことに善悪とか正解はないし。
ただ、何も知らないまま引いてしまうのはもったいないかも知れない。いいところも悪いところも知ってて、それでも友人だと思える人は貴重だ。
俺なんて大学時代からの友達に『そういうとこがダメだ』ってダメ出しされまくるけど、そういうことを言ってくれる友達に感謝してる。
志摩野も、君を理解してくれる人を探すのを諦めてほしくない。
人と深く関わることを知っていて線を引いて生きるのと、知らないままで線を引くことは、やっていることは同じでも全然違うと思う。できたら、知った上でどうするかを決めてほしい。
線を引くクセを少しだけ意識してやめたら、きっと志摩野の魅力に気付く人はたくさんいる。そこで、良い出会いがあればきっと変わるきっかけになるよ。
まあ、もう良い友達ができてるみたいだから必要ないかもな。

うん、ありがとう。
好きだという気持ちも、志摩野の気持ちだから無理に終わらせようとしなくていいと思うよ。後悔のないように。
ただ、俺にその価値があるかどうかはわからない。時間を無駄にさせるだけかも知れないし、答えを求められても答えられるかはわからない。こんな情けない返事でごめんな。
先生のくせに言葉が下手だな。上手く伝わるといいけど。

この前、うちの高校で体育祭があったが、怪我人の多さに唖然としたよ。さすが男子校。人生初のことが連続して起こる。

秋場孝行