啓之さんと「そういうこと」をするのは、決まって彼の家だった。

ある土曜日、リビングのテーブルで私は卒論の執筆に勤しみ、彼はソファに座って本を読んでいた。私の卒論もいよいよ完成に近づいている。来週に提出期限が迫っている。早く提出して楽になりたいものだ。

黙々と互いの時間を過ごしていたが、私は途中で行き詰まり集中力が切れてしまった。彼にかまってほしくて、傍らのソファの彼の膝をポンポンと軽く叩く。

「飽きちゃったのかい?おいで」

 彼は読んでいた本を閉じて私を自分の膝の上に座らせた。

「私と遊ぼうか」

 彼は言うや否や私の唇を奪い、瞬く間に官能的な空気をつくりあげる。私はしがみつくように彼の首に腕を回しそのキスに応えた。

服の中に手を入れられ、慣れた手つきでブラのホックが外され乳房を弄ばれる。いつの間にか私はソファの上に押し倒されていた。

次第に荒くなる息遣いと火照る身体。

いつの間にか私のスキニーパンツのボタンとファスナーが開放され、彼の手がその中に滑り込んできた。

下着の上から私の敏感な場所を指でこすり始める。

「んっ」

 初めて感じる快感に思わず腰が浮き、いやらしい声が漏れた。恥ずかしくてやめてほしいのに、彼の指は止まらない。

「あっ、まっ、待ってください!まだ心の準備が…!」

「もう身体はこんなになってるのに?」

「言わないで、…あぁっ」

 自分の意識とは無関係に変な声が出てしまう。半ば涙目になりながら、押し寄せる快感と羞恥に頭が混乱した。