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誰もいない早朝のオフィス。電気をつけて窓のブラインドを開けると、差し込んでくる朝日の眩しさに目を細めた。すぐにパソコンを立ち上げ、コーヒーを飲みながらメールチェックをするのは毎朝のルーティーンだ。
一通りメールをチェックし終え、ふと昨日の石原さんとのデートを思い出す。20代の彼女とデートをするには渋いコースだったかもしれないが、何をしても彼女は楽し気だった。滝を見てはしゃいだり、やたらおいしそうに鯉を食べたり、キスだけでとろけそうになったり、彼女の一挙一動に心をもっていかれる。かわいい恋人だ。
そうこうしているうちに続々と部下たちが出社してきた。
「おはようございます。部長、朝からご機嫌じゃないですか?」
部下のひとりが席に着くなり俺に話しかけてきた。
「おはようございます。そうですか?」
「何かいいことあったんじゃないですか?顔がにやけてますよ~」
俺は緩んだ口元をおさえて小さく咳払いをした。
「そんなことないですよ。それよりこの前君に頼んでいたプレゼン資料のためのアンケート集計は終わりましたか?」
「あ、そうだった。すぐやります」
「よろしくお願いしますね」
危ない危ない。職場に私情を持ち込むわけにはいかない。頭を振って私情を払い、仕事に意識を向けた。
誰もいない早朝のオフィス。電気をつけて窓のブラインドを開けると、差し込んでくる朝日の眩しさに目を細めた。すぐにパソコンを立ち上げ、コーヒーを飲みながらメールチェックをするのは毎朝のルーティーンだ。
一通りメールをチェックし終え、ふと昨日の石原さんとのデートを思い出す。20代の彼女とデートをするには渋いコースだったかもしれないが、何をしても彼女は楽し気だった。滝を見てはしゃいだり、やたらおいしそうに鯉を食べたり、キスだけでとろけそうになったり、彼女の一挙一動に心をもっていかれる。かわいい恋人だ。
そうこうしているうちに続々と部下たちが出社してきた。
「おはようございます。部長、朝からご機嫌じゃないですか?」
部下のひとりが席に着くなり俺に話しかけてきた。
「おはようございます。そうですか?」
「何かいいことあったんじゃないですか?顔がにやけてますよ~」
俺は緩んだ口元をおさえて小さく咳払いをした。
「そんなことないですよ。それよりこの前君に頼んでいたプレゼン資料のためのアンケート集計は終わりましたか?」
「あ、そうだった。すぐやります」
「よろしくお願いしますね」
危ない危ない。職場に私情を持ち込むわけにはいかない。頭を振って私情を払い、仕事に意識を向けた。


